AIの活用というと、高度な自動化や複数ツールの連携を思い浮かべる人も多いかもしれません。
しかし、使い始めたばかりの段階では、まず「1つのツールに1つの作業を任せる」ことから始めるのがおすすめです。
議事録作成やメール返信、提案書の構成、資料の要約など、日常業務で時間がかかっている作業を1つ選ぶことで、AIの効果を確認しやすくなります。
本記事では、ChatGPT、Claude、Gemini、Gemini Notebook、Grokを使った、仕事ですぐに試せるAI時短術を5つ整理しました。

1.ChatGPTで会議メモから共有用の議事録を作る

これまでは、会議メモを読み返しながら、決定事項や担当者、期限、次回までの作業を一つずつ整理する必要がありました。
ChatGPTに会議メモを入力し、整理してほしい項目を指定すれば、共有用の議事録のたたき台を短時間で作成できます。
議事録のフォーマットをあらかじめ決めておけば、会議ごとの記載内容も統一しやすくなります。

STEP1|メモを用意する:会議中に作成した箇条書きメモを準備します。
STEP2|整理する項目を指定する:決定事項、担当者、期限など、必要な項目を伝えます。
STEP3|内容を確認する:誤りや不足がないか確認し、社内共有用に整えます。

指示例

以下の会議メモを、社内共有用の議事録に整理してください。
「決定事項」「担当者」「期限」「次回までの作業」に分け、不明な内容は推測せず「要確認」と記載してください。

2.Claudeで受信メールへの返信案を作る

これまでは、受信メールの内容を確認しながら、相手との関係性や依頼内容に合った表現を考え、文章を整える必要がありました。
Claudeに受信メールの内容と返信の目的を伝えることで、丁寧で自然なビジネスメールの下書きを短時間で作成できます。
AIが作成したメールをそのまま送信するのではなく、固有名詞や日程、約束する内容に誤りがないか確認することが重要です。

STEP1|受信メールを入力する:返信したいメールの本文を入力します。
STEP2|目的とトーンを指定する:返信の目的と、丁寧さや文章量などのトーンを伝えます。
STEP3|内容を確認する:宛名、日程、添付資料などを確認して送信します。

指示例

以下のメールへの返信案を作成してください。
丁寧なビジネス文とし、依頼を承諾すること、必要な資料を確認して後ほど送付することを簡潔に伝えてください。

3.Geminiで提案書の全体構成を作る

これまでは、提案先の情報や課題を整理しながら、どの順番で説明するかを考え、提案書全体の構成を一から組み立てる必要がありました。
Geminiに提案先の情報や課題、自社サービスの特徴を伝えることで、提案書の全体構成や各ページの内容を短時間で整理できます。
AIには全体構成のたたき台を作らせ、提案内容の妥当性や根拠は担当者が確認すると、効率と品質を両立しやすくなります。

STEP1|提案条件を整理する:提案先の業種、課題、提案の目的をまとめます。
STEP2|構成案を作成させる:提案書のページ構成と、各ページに記載する内容を依頼します。
■ STEP3|自社情報を追加する:自社の実績、数値、事例などを加えて調整します。

指示例

以下の条件をもとに、営業提案書の構成案を作成してください。
提案先の課題、解決策、自社サービスの特徴、導入効果、導入までの流れを含め、各ページの見出しと記載内容を整理してください。

4.Gemini Notebookで長い資料の重要ポイントを整理する

これまでは、長い資料を最初から読み、重要な箇所を探しながら、要点や確認事項を一つずつまとめる必要がありました。
Gemini Notebook(NotebookLM)に資料を追加し、確認したい観点を伝えることで、重要ポイントの整理や必要な情報の確認を短時間で進めやすくなります。
資料の内容をすべて読む前に全体像を把握したり、必要な部分を探したりする用途にも活用できます。

■ STEP1|資料を追加する:確認したい社内資料や報告書などを追加します。
■ STEP2|確認する観点を指定する:知りたい内容や整理してほしい項目を伝えます。
STEP3|要点を確認する:要点、結論、確認事項に分けて内容を確認します。

指示例

この資料の内容を、「重要事項」「意思決定に必要な情報」「確認が必要な点」に分けて整理してください。
数値や期限が記載されている場合は、該当する内容もまとめてください。

5.GrokでXの最新情報を整理する

これまでは、Xでキーワードを検索し、多数の投稿を確認しながら、重要な情報や話題の傾向を自分で整理する必要がありました。
Grokに調べたいテーマや期間、確認したい観点を指定することで、関連する投稿や話題の傾向を短時間で整理しやすくなります。
Xの投稿には、個人の意見や正確性を確認できない情報も含まれます。業務上重要な情報は、企業の公式発表や一次情報で確認することが必要です。

STEP1|テーマを決める:調べたいテーマやキーワードを決めます。
STEP2|期間と観点を指定する:対象期間と、確認したい情報の種類を伝えます。
STEP3|情報を確認する:重要な投稿や話題の傾向を確認します。

指示例

生成AIを活用した営業・業務効率化に関するXの投稿を整理してください。
直近の投稿を対象に、「注目されているテーマ」「具体的な活用事例」「企業が注意すべき点」に分けてまとめてください。

AI活用は「時間がかかっている1作業」から始める

AIを業務に取り入れる際、最初から複数の作業を自動化したり、複雑な仕組みを構築したりする必要はありません。
まずは、次の流れで試してみましょう。

・STEP1|今、時間がかかっている作業を1つ選ぶ
・STEP2|その作業に合うAIツールを1つ試す
・STEP3|出力内容を確認し、自分の仕事に合わせて調整する

たとえば、会議後の議事録作成に時間がかかっている場合は、ChatGPTを使った議事録作成から始めます。
メール対応の負担が大きい場合は、Claudeを使った返信案の作成から試します。
1つの作業で効果を確認できたら、別の会議や担当者にも広げるなど、少しずつ活用範囲を増やしていくことが大切です。
作成された表や作業リストは、担当者が確認したうえで業務へ反映しましょう。

生成AIを業務で活用するには、複数のツールを一度に使いこなそうとするのではなく、まずは「どの作業に、どのAIを使うのか」を整理することが大切です。
議事録作成にはChatGPT、メール返信にはClaude、資料の要約にはGemini Notebookなど、業務に合ったツールを選び、AIに任せる範囲や人が確認するポイントを決めることで、日常業務の時短につなげやすくなります。
こうしたAIツールの選定や使い分けを、自社の業務に合わせて設計し、成果につながる活用方法を整える役割として注目されているのが、生成AIマーケターです。

一部の担当者がAIを使えるようになっても、組織全体の業務効率化にはつながりません。
社員が、時間のかかっている作業を見つけ、その作業に合ったAIツールを選び、目的や出力形式を具体的に伝えられるようにすることが重要です。また、AIが作成した内容を確認し、自社の業務に合う形へ調整する力も求められます。
議事録やメール返信、提案書の構成、資料の要約など、身近な業務から生成AIの活用方法を学び、社内で継続的に使える形へ定着させる手段として有効なのが、生成AI研修です。

まとめ|まずは「1ツール×1作業」から始める

生成AIを業務で活用するために、最初から高度な自動化や複数ツールの連携に取り組む必要はありません。
まずは、議事録作成、メール返信、提案書の構成、資料の要約、最新情報の整理など、日常業務の中で時間がかかっている作業を1つ選び、その作業に合ったAIツールを試すことが大切です。
AIに任せる作業を絞り、出力内容を人が確認しながら使うことで、効果や注意点を把握しやすくなります。
1つの作業で活用方法が定まったら、別の担当者や業務にも少しずつ広げていきましょう。
ツールを増やすことよりも、どの作業を、どのAIに、どのように任せるかを整理することが、業務効率化につながります。

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