ChatGPT、Claude、Geminiなど、仕事で使える生成AIが増える中、「結局どのAIを使えばよいのか」と迷うこともあるのではないでしょうか。
しかし、必ずしも1つのAIですべての仕事を完結させる必要はありません。
大量の情報を整理する工程、整理した情報から考える工程、完成した内容を別の視点から確認する工程など、仕事を分解すると、それぞれでAIに求める役割は異なります。
本記事では、ChatGPT・Claude・Geminiをどれが一番優れているかではなく、仕事の工程ごとに役割を分けて使う方法について、週次報告の作成を例に整理しました。

なぜ、3つのAIを使い分けるのか

生成AIを仕事で使うとき、「性能の高いAIを1つ選べばよい」と考えることもあります。
しかし、実際の仕事には、情報を集める、整理する、考える、確認するなど、複数の工程があります。
工程ごとに必要な役割が違うのであれば、AIも同じものを使い続けるのではなく、役割を分けるという考え方ができます。

① すべての工程で重い推論が必要とは限らない

大量の文章から必要な情報を抽出したり、決まった形式に整理したりする作業では、必ずしも複雑な推論が必要なわけではありません。
一方で、

  • なぜこの結果になったのか
  • 何が問題なのか
  • 次に何を優先するべきか

このような内容を考える工程では、複数の情報をつなぎ合わせながら整理する必要があります。
そのため、すべての工程を同じAIに任せるのではなく、重い推論が必要な仕事に、考えることが得意なAIを集中させるといった使い方ができます。

② AIによって活かしやすい役割が異なる

生成AIには、それぞれ活かしやすい使い方があります。
重要なのは、「どのAIが一番優秀か」だけで選ぶことではありません。

・大量の情報を整理したい
・複数の情報から企画を考えたい
・作った内容を別の視点から確認したい

その工程でAIに何をしてほしいのかから考えることがポイントです。

③ 別のAIで確認すると、違う視点を入れやすい

企画や文章を1つのAIだけで作成すると、最初に置いた前提や考え方を、そのまま引き継いでしまうことがあります。
そこで、作成した内容を別のAIに渡し、

  • 根拠が弱い部分はないか
  • 論理が飛んでいないか
  • 別の解釈はないか
  • 抜けている論点はないか

というように確認させる方法があります。
「作るAI」と「確認するAI」を分けることで、成果物を別の視点から見直しやすくなります。

ChatGPT・Claude・Geminiの特徴と役割

3つのAIを組み合わせる場合、たとえば次のように役割を分けて使うことができます。

AI主担当主な仕事使うポイント
ChatGPT
「考えて組み立てる」担当
統合・推論・企画化・複数の材料を横断して考える
・課題と原因を整理する
・複数のステップで施策まで組み立てる
「重い推論が必要な工程」に集中させる
Claude
「疑って整える」担当
検証・別視点レビュー・文章改善・根拠が弱い部分を探す
・別の解釈がないか確認する
・論理の飛躍や矛盾を見つける
「別のAIが作った成果物を疑う役」に使う
Gemini
「素材を読む・拾う」担当
入力整理・素材理解・動画、音声、画像、資料などをまとめて扱う
・必要な事実や論点を抜き出す
・長い素材から必要な情報を整理する
まず「大量の素材から必要な情報を整理する工程」に使う

この役割分担を、すべての仕事にそのまま当てはめる必要はありません。
扱う情報や作りたい成果物によって、適した使い方は変わります。
大切なのは、「どのAIが一番優れているか」ではなく、仕事を工程に分け、その工程でAIに何をしてほしいのかを考えることです。

週次報告で見る、3つのAIの使い分け

では、実際の仕事では3つのAIをどのように使い分ければよいのでしょうか。
たとえば、1週間分のメールや会議メモ、資料、数字などから週次報告を作成する場合を考えてみます。
週次報告の作成には、単に文章をまとめるだけでなく、情報を拾う、内容を整理して考える、矛盾や抜けを確認する、最後に判断するといった複数の工程があります。
この工程を分けると、それぞれのAIに任せる役割も見えやすくなります。

工程担当行うこと
① 素材を集めるインプット1週間分のメール・会議メモ・資料・数字を用意する
② 情報を整理するGemini「決まったこと」「数字」「進捗」「未解決事項」を大量の素材から整理する
③ 内容を考えてまとめるChatGPT「何が進んだか」「何が問題か」「なぜそうなったか」「来週何を優先するか」を整理し、週次報告の形にまとめる
④ 別の視点から確認するClaude数字との矛盾、根拠のない断定、抜けている論点、上司に伝わりにくい表現がないか確認する
⑤ 最終判断する人優先順位や、上司に伝える内容を決める
⑥ 共有する―そのまま共有できる週次報告に仕上げる

この使い方で大切なのは、3つのAIに同じ週次報告を作らせるのではなく、工程ごとに役割を変えることです。

Geminiで整理する
↓
ChatGPTで考える
↓
Claudeで検証する
↓
人が判断する

というように、前の工程で整理した内容を次の工程へつなげていきます。
こうして仕事そのものを分解してみると、「どのAIを使えばいいか」ではなく、「この工程では、どのAIに何を任せるか」という考え方に変わります。

ChatGPT・Claude・Geminiを使い分けるときは、それぞれの機能を知るだけでなく、自社の仕事をどのような工程に分け、どのAIに何を任せるのかまで整理することが重要です。
情報を整理する工程、考えて組み立てる工程、別の視点から検証する工程など、業務によってAIを活かせる場面は異なります。
こうした生成AIの特徴を踏まえながら、自社の業務を整理し、どの仕事にどのAIを組み込み、どの工程を効率化するのかまで設計していく役割として注目されているのが、生成AIマーケターです。

複数のAIの役割を決めても、実際に使う社員が「どの場面でChatGPTを使うのか」「どの情報をGeminiに渡すのか」「Claudeに何を確認させるのか」を理解していなければ、業務の中で使い分けることは難しくなります。
実際のメールや会議メモ、資料作成、週次報告などを題材にしながら、情報整理から推論、検証まで一連の流れを試し、自分の仕事でAIを使える状態にしていくことが大切です。
こうした実務に沿った使い方を学び、社員自身が日々の業務の中で生成AIを活用できる状態をつくるための取り組みが、生成AI研修です。

まとめ

生成AIを使い分けるときに大切なのは、ツールから選ぶのではなく、仕事の工程から考えることです。
大量の情報を整理する、そこから考える、別の視点で確認する、仕事を分解するとそれぞれのAIに任せる役割も見えやすくなります。
1つのAIですべてを完結させるのではなく、AI同士をつなぎながら、人が最後の判断をする。
こうした役割分担も、これからのAI活用方法のひとつです。

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