生成AIを業務で使う企業は増えていますが、実際の現場では「一般論は返ってくるが、自社資料に沿った答えにならない」「情報確認や要点整理に意外と時間がかかる」と感じる場面も少なくありません。
そうした中で注目したいのが、追加した資料を前提に整理・確認を進めやすい NotebookLM です。
NotebookLMは、社内資料や提案書、議事録、競合資料などをまとめて読み込ませ、その範囲をもとに要点整理や比較、確認を進めやすいのが特徴です。
特に実務では、情報を探す時間を減らし、資料を根拠に確認する作業を効率化しやすい 点が大きな価値になります。
本記事では、NotebookLMの強みと、実務で使いやすい活用例を5つに絞って整理しました。
NotebookLMの強み
NotebookLMとは、Googleが提供する、手元の資料をもとに要約・比較・整理を進めやすいAIツールです。
「リサーチ」だけにとどまらず、資料を整理し、要点を抽出し、次の業務につなげるところまで仕事に活かしやすいのが特徴です。
Googleの資料をそのまま取り込みやすい
普段の業務で使っているGoogle Docs、Slides、Sheetsなどをそのままソースとして追加しやすいため、PDF化してアップロードし直す手間を減らしやすいのが特徴です。
すでにGoogle Workspaceを業務で使っている企業ほど、導入時のハードルを下げやすい形です。
与えた資料を根拠に回答しやすい
NotebookLMは、追加したソースを前提に回答を整理しやすいため、社内資料や案件固有の情報に沿った返答を得やすいのが強みです。
一般的なチャットAIのように広い知識から答えるというより、手元の資料をベースに考えたい業務 と相性が良いツールです。
回答に出典が付くため確認しやすい
要点だけをまとめるのではなく、どの資料のどこを根拠にしているかを確認しやすい点も実務では重要です。
上司への報告、顧客提出前の確認、社内レビューなど、「本当にその記載で合っているか」を見直す作業 を進めやすくなります。
ノートブック単位で参照範囲を固定できる
案件ごと、部署ごと、テーマごとにノートブックを分けておけば、参照範囲を固定した状態で質問を重ねやすくなります。
これにより、毎回前提を説明し直さなくても、同じ文脈の中で整理や確認を続けやすい のが便利なポイントです。
NotebookLM活用例
NotebookLMは、単に資料を読むためのツールではなく、商談準備、競合比較、議事録整理、報告確認、社内ナレッジ整備 といった業務を前に進める場面で使いやすいのが特徴です。
| No. | 活用例 | こんな時に | 活用のポイント | プロンプト例 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 商談前に資料を確認する | 商談前の情報確認に毎回時間がかかっている | 関連資料を1つのノートブックに集約し、顧客の業界・課題・過去提案を要点整理したうえで、商談で確認すべき論点を短時間で洗い出しやすい | 追加した営業資料と過去提案書をもとに、今回の商談で確認すべき顧客課題・提案ポイント・想定質問を表形式で整理して。 |
| 2 | 競合・市場の動向を整理する | 競合のサービス内容を比較したいが、資料を1つずつ読む時間がない | 各社の紹介資料やプレスリリースをノートブックに集約し、料金・機能・サポート範囲・直近の動きを横断比較しながら差別化ポイントを整理しやすい | 追加した競合サービス紹介資料をもとに、料金体系・サポート範囲・主要機能・直近のリリース内容を表形式で比較し、自社が訴求すべき差別化ポイントを3つ整理して。 |
| 3 | 議事録から必要な情報を取り出す | 過去の議事録が多く、要点整理に時間がかかっている | 過去分の議事録をまとめて追加し、プロジェクトの決定事項・保留事項・担当者を時系列で抽出しながら、次回会議で確認すべき論点を一覧化しやすい | 追加した議事録をもとに、プロジェクトの決定事項・保留事項を発言者と日付付きで時系列に整理し、次回の会議で確認すべき論点をリスト化して。 |
| 4 | 報告前に内容の根拠を確認する | 上司や顧客への報告内容に書いた数値や事実が正しいか確認したい | 報告に使う資料をまとめて追加し、主要な数値や事実を出典付きで整理することで、報告内容の裏付け確認とレビューを進めやすい | 追加した調査資料をもとに、報告で使う主要な数値と事実を出典付きで一覧化して。それぞれが元資料のどこに記載されているかも示して。 |
| 5 | 社内向けQ&Aを整備する | 同じような社内問い合わせ対応に毎週時間を取られている | 業務マニュアル・就業規則・FAQをノートブックに集約し、想定される質問を事前に洗い出して、社内共有しやすいQ&Aのたたき台を整備しやすい | 追加した業務マニュアルと就業規則をもとに、社内からよく寄せられそうな質問を10個想定し、それぞれに引用元付きの回答案を作って。 |
実務で使うときのポイント
NotebookLMの活用を考えるうえで重要なのは、何でも聞ける万能ツールとして捉えることではありません。
むしろ、「すでに社内にある資料を、どう整理し、どう確認し、どう次の業務につなげるか」 という視点で使うと価値が出やすくなります。
たとえば商談前であれば、顧客資料や過去提案を読み直す時間を短縮しながら、確認すべき論点を整理できます。
競合調査であれば、複数資料を横断して比較し、差別化ポイントを見つけやすくなります。
また、議事録や社内マニュアルのように、情報はあるのに活用しきれていない資料も、NotebookLMを使うことで実務に接続しやすくなります。
今回ご紹介したように、NotebookLMは、単に情報を調べるためのツールではなく、手元の資料をもとに整理・比較・確認を進めながら、実務を前に進めやすくするAIツールです。
商談準備、競合調査、議事録整理、報告確認、社内Q&A整備といった場面で活用することで、AI活用は「その場で使う便利ツール」から「業務の流れを支える仕組み」へと広がっていきます。
ただし重要なのは、ツールの機能を知ることそのものではなく、どの資料を、どの業務で、どのように使えば成果につながるのかを整理することです。
単発で使って終わるのか、実務で再現できる活用につながるのかは、この設計次第で大きく変わります。
こうしたAI活用の考え方をもう一段具体的に整理したい方は、こちらも参考にしてみてください。
その設計を担う役割として注目されているのが、生成AIマーケターです。
一方で、こうした使い分けや業務への落とし込みは、ツールを触っているだけで自然に身につくものではありません。
AIを実際の成果につなげるためには、個別機能の理解だけでなく、業務全体の流れの中でどう機能させるかを整理し、現場で再現できる形にしていくことが重要です。
特に、情報整理、要点抽出、比較、資料化、共有といった複数の工程をまたいでAIを活かすには、実務に沿って設計し直す視点が欠かせません。
こうした考え方を実務に落とし込み、現場で使える力として身につけたい方は、こちらもあわせてご覧ください。
その基盤づくりとして有効なのが、生成AI研修です。
まとめ
NotebookLMの価値は、単に要約できることではありません。
手元の資料を前提に、確認・比較・整理・レビューを進めやすいこと にあります。
特に実務では、商談準備、競合調査、議事録整理、報告確認、社内FAQ整備など、資料ベースで進む仕事が多くあります。
そのためNotebookLMは、一般的なチャットAIの代替というより、資料を扱う業務を前に進めるための実務支援ツール として捉えると活用イメージが持ちやすくなります。
まずは、商談資料や議事録、社内マニュアルなど、すでに社内にある情報を1つのノートブックにまとめるところから始めると、導入効果を実感しやすくなります。
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